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A列車で行こう ポータルサイト > 特別企画 > A列車jp発「Nゲージに特色ってあるの?メーカーごとに違う鉄道模型の世界」
目次
好みに合った鉄道模型の車両を探していると、今まで聞いたことのなかった鉄道模型メーカーを発見することもあるだろう。鉄道模型を扱うメーカーは、初心者向けの入門セットも発売する大手メーカーから、マニアックな車両を発売するメーカーまで、Nゲージに限っても数多く存在する。では、メーカーごとにどのような違いがあるのだろうか?
鉄道模型メーカーと言えば、KATOとTOMIXが思い浮かぶだろう。この2社はNゲージを発売する鉄道模型メーカーの中でも、線路やパワーパックなど鉄道模型に必要なアイテムをトータルで発売する最大手メーカーだ。
その他のメーカーは車両を中心に販売している。マイクロエースやポポンデッタは地方の車両や私鉄車両など量産が難しい車両を製品化し、ニッチな需要に寄り添う。グリーンマックスは、プラモデルのように組み立てる「キット」形態でも車両を発売中だ。
このように個性豊かなメーカーが、2社の大手メーカーでは拾いきれない鉄道模型ユーザー各自の様々な需要を満たしている。
この記事では、有名Nゲージメーカー5社の特徴を解説しながら、線路の相性や、メーカーごとの互換性など、車両購入時の不安にお答えする。
KATOは模型としてのデフォルメを重視する。買った状態そのままで完成度の高い車両を楽しめて、初心者におススメだ。
造形は実車に対しての忠実さよりも、模型における映えを狙っている。アンテナやヒューズ箱といった細かいパーツは取り付け済み、車両の番号なども印刷済みで、製品そのままで実車に近い姿を楽しめる。
車両は新幹線や特急列車、大都市圏の通勤電車などの知名度や人気の高い形式が中心だ。他のメーカーと比べると、形式ごとのバリエーション展開は少ない。しかし、バリエーション展開が少ない分、一回ごとの生産数が多く大量生産を行っている。これによって他の鉄道模型メーカーと比べて手軽な価格設定を実現した。
加えて、KATOは車両以外にも「ユニトラック」と呼ばれる線路や、車両を制御する「パワーパック」を発売しているほか、景色の再現に用いる「情景部品」も自社ブランドで販売される。
これらの製品は日本国内の工場で一貫して設計、製造が行われる。アフターサービスも充実していてトラブルが起きたときも安心だ。
TOMIXは実車設計に忠実で、車両番号の選択など自由度が高い。こだわりたい鉄道模型ユーザーにおススメだ。
造形にデフォルメが少なく、実車の印象が正確に落とし込まれている。そのかわり、細かいパーツや車両の番号は選択式で、ユーザーの作業が必要だ。これらの作業は慣れるまで難しく感じる。しかし、その分、自由度が高いということだ。乗ったことのある思い出の車両や、形態の異なる特徴的な編成など、ユーザーの好みで車両をカスタマイズできる。
車両製品のラインナップは旧国鉄時代から現在のJR各社まで多岐に渡り、115系やキハ58系など、地域ごとに見られる車両の仕様違いなども細かく網羅される。0系からN700S系といった開業時から現在までの新幹線や、東武N100系スペーシアXなどの私鉄特急といった各地の花形車両を多く製品化している。他にも、きかんしゃトーマスシリーズの車両など独自ラインナップも見られる。
加えて、KATOと同様に「ファイントラック」と呼ばれる線路や、車両を制御する「パワーパック」といった車両以外の製品も発売中だ。「情景部品」はTOMIXブランドのほか、系列のトミーテックによる「ジオコレ」ブランドでも展開される。
グリーンマックスは地域に根差した車両のラインナップや、プラモデルのように組み立てる「キット」で独自の展開を続ける。工作したい派の鉄道模型ユーザーには欠かすことのできないメーカーだ。
ラインナップは各地を走る私鉄車両や、北海道や東北、九州地区の国鉄、JR車両など、大手メーカーから発売されないコアな車両製品で私鉄ファンを中心としたユーザーの需要に応える。生産数は他のメーカーと比べて少なく、価格も他のメーカーと比べて高額だ。
グリーンマックスの最大の特徴はプラモデルのように組み立てる「キット」の発売を継続している。細部の塗装にこだわりたいユーザーや、工作を楽しみたいユーザーにおススメしたい。
また、車両以外にも「ストラクチャー」と呼ばれる模型の縮尺に合わせた建物を発売中だ。従来のキット形態の建物のほか、近年では実在するホテルチェーンや喫茶店をモデルとした完成品が発売されて話題を呼んだ。
ほかにも鉄道模型塗装用の塗料や、車両を動かすために必要な動力ユニットを単品で発売している。いずれも鉄道模型のキットを作成する際に必須なアイテムで、鉄道模型キット専門メーカーだった名残がある。
マイクロエースの鉄道模型製品は車両のみで、他社の追従を許さない豊富なラインナップを誇る。車両好きが納得する車体造形の細かい作り分けと、美しい塗装が特徴だ。
北海道から九州までの国鉄・JRだけでなく、代表的な大手私鉄、中小私鉄各社と、いずれも年代を問わずに充実している。その他、実際には製造されなかったC63形蒸気機関車といった幻の車両や、アニメ映画とのコラボ製品など種類が非常に豊富だ。
車両造形は実車の個体差や、路線ごとの規格違いなど、他社では見逃されるような細かい作り分けを行う。実車にこだわりのある鉄道模型ユーザーから見ても納得できる仕上がりだ。
塗装にもこだわりが見られる。グラデーションで彩られた車両や、地域やアニメとタイアップしたラッピング車両など、近年の車両でよく見られる意匠が全て印刷でキレイに再現される。
とても見ごたえのある車両に仕上がっていて、華やかな車両を楽しみたいユーザーにおススメだ。
ポポンデッタは鉄道模型販売店から発展し、今まで製品化に恵まれなかった車両を続々と販売する。新しい技術もたくさん取り入れており、今後のラインナップ展開に期待が集まる。
相模鉄道20000系や福岡市地下鉄2000系など、他社から発売されていなかった車両を積極的に製品化している。発売される車両は、比較的新しく現役で走る車両が中心で年代の古い車両は他社と比べて少ない。
他のメーカーにはない特徴として、車内の座席や床を塗り分けて表現する。窓からのぞき込むとリアルな車内を楽しめる。
最近発売されたJR西日本キハ189系や、京阪13000系などに、側面行き先表示機の点灯など更なるギミックも取り入れられた。
景色の再現に用いる「情景部品」も独特な製品を発売中だ。実際の線路に使われるものと同様の「バラスト」と呼ばれる線路の砂利、新幹線の沿線で見かける看板など、車両と同じく他社と被らない独自の展開をしている。
お気に入りのメーカーは見つかっただろうか。車両を買う前に、遊ぶ際の注意点を見ていこう。
どんな車両を買っても、様々なレイアウトで走らせられるのだろうか?
車両は様々なメーカーから発売中だ。一方、線路と車両を動かすパワーパックは前述の通り、主にKATOとTOMIXの2社からしか発売されていない。
では、車両のみを製品化している他の鉄道模型メーカーの車両は、線路を走らせられないのだろうか?
もちろんそんなことはなく、線路と車両がともにNゲージの規格であれば、どんなメーカーの組み合わせでも走らせられる。
しかし、数ある鉄道模型の車両の中には、特定の線路やパワーパックとの相性が悪いケースもごくまれに存在する。その場合は組み合わせの変更や、車両側に対策を行って、問題なく走行できるように調整が必要だ。
次に気になるのは、車両単位での互換性だ。結論から言うと、同じ編成は同一メーカーで揃えるのがベストだ。
485系や583系など全国各地を走る国鉄時代の特急列車や、山手線E235系や大阪環状線323系といった大都市圏の通勤電車など、人気が高い車両は複数の鉄道模型メーカーから発売されている。
しかし、同一形式であっても、車体の造形はメーカーごとに差がある。メーカーを織り交ぜて一つの編成を組んでしまうと、車両によって造形の差が生じてしまい不自然だ。
またメーカーによっては自社開発の連結器を採用していて、メーカーが異なると車両を繋げられないこともある。編成を組む時は、基本的に同一のメーカーで編成を揃えてあげると造形に差がなく、スムーズに連結可能な編成を揃えられる。
最後に、鉄道模型を購入するときは確実に購入できるよう予約をしておきたい。
近年では主要なメーカーに絞っても、毎月様々な新製品が発売されるようになった。
製品数が増えた分、それぞれの生産数は減少傾向にある。人気の高い商品は、予約分しか生産されておらず、お店に行っても購入できないことも多い。
一部の限定品を除いて、鉄道模型製品は一般の模型店などで予約ができる。予約をしておくと、確実に入手できるので安心だ。
予約のために模型店を訪問し、ネットショッピングを見ていると、そこで違う車両との出会いも……。くれぐれも買いすぎには注意しつつ、自分のペースでコレクションを楽しんでほしい。
掲載日:2024年10月25日
提供:A列車で行こうポータルサイト「A列車jp」(https://www.atrain.jp/)
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