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コラム

A列車jp発「お出かけ、叡山電鉄」

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都市開発鉄道経営シミュレーション「A列車で行こう」に制作協力いただいている
各鉄道会社をフィーチャーして、歴史や沿線の魅力について触れていく応援企画。
今回ご紹介するのは「叡山電鉄」。
さあ列車に乗ってお出かけしましょう。

そもそも「叡山電鉄」って?

 叡山電鉄は、京都市左京区内を走る私鉄です。会社名は「叡山電鉄株式会社」ですが、「叡山電車」「叡電(えいでん)」と通称されます。

 京都盆地の北東側に2路線を持っており、通勤通学などの日常利用、鞍馬や比叡山などへの観光利用、その両面で京都の街を支えている鉄道です。

 叡山電鉄のターミナルは、京都御所の北東側、鴨川と高野川の合流地点付近にある出町柳駅。京都大学のメインキャンパス、百萬遍知恩寺も近くにあります。

 また、出町柳駅は京阪電鉄の終点でもあり、大阪市中心部にある淀屋橋駅、京橋駅方面とのあいだで特急列車が走っています。淀屋橋~出町柳間の所要時間は、特急列車で50分ほどです。

 この接続的な意味にとどまらず、叡山電鉄と京阪電鉄は深い関係があります。ともに京阪ホールディングスの子会社――つまり、同じ京阪グループなのです。

 そのため、お得なきっぷやイベントなどで、京阪電鉄と連携した施策が行われる場合があります。

 また、出町柳駅にJR京都駅から鉄道で移動するなら、JR奈良線で東福寺駅、そこで京阪電鉄に乗り換えて出町柳駅、のルートが便利です。

 ちなみに叡山電鉄は元々、京阪グループではなく、同じ京都市内を走っている京福電鉄(嵐電)の路線でした。

 ただ現在は、叡山電鉄も、京福電鉄も、京阪グループです。

 また時代をさかのぼると、叡山電鉄も、京福電鉄も、元々は京都電燈株式会社が運行していた路線です。

 ……ややこしくなってきたので、深くは触れませんが、このあたりは「京都」「電力」の近代化といった話につながるため、調べてみると面白いかもしれません。

 それはさておき、現在の叡山電鉄に話を戻します。

 叡山電鉄のターミナルは街中の出町柳駅ですが、その2路線とも、終点は観光名所です。

 そのひとつの叡山本線は、出町柳駅と八瀬比叡山口駅のあいだ、5.6km、8駅を結ぶ路線。終点の八瀬比叡山口駅から接続するケーブルカー、ロープウェイを使い、比叡山の山頂、延暦寺、さらには山を越えて琵琶湖方面へ抜けることもできます。

 もうひとつの鞍馬線は、叡山本線の途中にある宝ケ池駅から鞍馬駅まで8.8km、9駅を結びます(すべての列車が叡山本線に直通し、出町柳駅発着での運転)。

 この鞍馬線は「京の奥座敷」とも呼ばれる鞍馬、貴船エリアへ向かう路線で、終点の鞍馬駅は、天狗伝説、牛若丸(源義経)で有名な鞍馬山、鞍馬寺の麓。また、途中の貴船口駅からは、川床料理や神社で知られる貴船へ、路線バスで行くことが可能です。

 このように、叡山電鉄は観光名所へのアクセスに便利な鉄道です――が、叡山電鉄自体も「観光名所」としても、過言ではありません。

叡電の魅力「もみじのトンネル」

 叡山電鉄が「観光名所」といえる理由、そのひとつは「もみじのトンネル」です。

 場所は、鞍馬線の市原駅と二ノ瀬駅のあいだ。出町柳駅から鞍馬駅行きの列車に乗ったとすると、京都の市街地を出て、鞍馬山方面の谷間へ入り込んだあたりの場所になります。

 この市原~二ノ瀬間では、約250mにわたり線路脇にイロハモミジ、オオモミジが林立。生い茂るそれら280本ものモミジによって列車が包まれ、まるでトンネルのようになっていることから、「もみじのトンネル」と呼ばれています。

 この「もみじのトンネル」付近には道路がなく、列車からしかその眺めを楽しめないのもポイントです。

 ちなみに、「もみじのトンネル」を含む鞍馬線の二軒茶屋~鞍馬間には、50‰(1000m進むと50mの高低差)という普通鉄道では急な勾配があることから、叡山電鉄は「全国登山鉄道‰(パーミル)会」の一員になっています。

叡電の魅力「夏も秋も夜も見ごろ」

 さて、この叡山電鉄鞍馬線にある「もみじのトンネル」。見ごろは秋の紅葉シーズンに限りません。「青もみじ」も大きな魅力です。

 4月下旬から、その鮮やかさを次第に増していくモミジの新緑。日差しを受けて輝く姿は、清涼のひと言です。

 6月、それが静かに雨に打たれている様子は、風情が漂っています。

 そして夏本番になれば、深い緑色になった「もみじのトンネル」が、乗客を心地よく包み込んでくれます。

 もちろん秋は紅葉で、絶景です。赤や黄色、橙色など微妙に異なる無数の葉に包まれ、文字通り燃えるような錦秋を、列車の車窓から間近に楽しむことができます。

 叡山電鉄によると、紅葉の見ごろは11月中旬から下旬だそうです(近年は温暖化で、遅くなる傾向とのこと)。

 また「もみじのトンネル」があるのは、山間部の谷間です。気温が低くなりやすく、京都市街地より雪が降りやすいともされ、冬は白く化粧したモミジを車窓に眺めることも可能といいます。

 さて「季節」ではなく、「時間帯」によって違う姿を楽しめるのも、「もみじのトンネル」の魅力です。

 日が暮れたあと、夏は「青もみじのライトアップ」、秋は「紅葉のライトアップ」を、「もみじのトンネル」で実施する場合があるのです。

 車内の照明を落として、徐行する「きらら」。その車窓に広がった、日中とはまた異なるコントラスト、グラデーションが美しいモミジの姿――。思わず、息を呑むことでしょう。

叡電の魅力「走るもみじ展望台『きらら』」

 「風景の観光名所」には「展望台」がつきものですが、叡山電鉄の観光名所「もみじのトンネル」にももちろん、「展望台」があります。しかも「走る展望台」です。

 その名も「展望列車『きらら』」。窓が大きく、また上側も見えるように取り付けられており、「トンネル」でモミジに包まれる体験を満喫できるよう、工夫されています。

 また、ドア部分の窓は足下まで広げられ、鉄橋を渡るときなどに、鞍馬川の渓流を楽しむことができます。

 「きらら」は窓だけでなく、座席も「展望台」チック。一部の座席が窓側に向けて設置されており、まさに「走る展望台」です。

 しかも嬉しいのは、この「きらら」へ乗車するにあたって、別料金が不要なこと。いわゆる普通列車のひとつとして運転されており、乗車券(運賃)だけで利用が可能です。予約もいりません。

 「きらら」は2両編成での運転で、座席数は1両あたり29。そのうち車両中央部分にある8席が、窓側を向いて設置されています。

 なお座席は、1人掛けの席、向かい合わせ4人掛けの席が用意されているのもポイント。1人でもグループでも利用しやすいでしょう。

 この「きらら」は基本的に、鞍馬線系統でのみ運転されます。出町柳~宝ケ池~鞍馬間の所要時間は、およそ30分です。

 なお「きらら」(900系電車)の外観デザインは、紅葉がイメージされた「メープルオレンジ」と、新緑の青もみじがイメージされた「メープルグリーン」の2種類があります。

叡電の魅力「神秘の列車『ひえい』」

 叡山本線系統にも、「観光名所」はあります。観光列車の「ひえい」です。

 基本的に叡山本線系統のみでの運転で、乗車時間が出町柳~八瀬比叡山口間の全区間でも約15分と短く、車内で沿線の味覚を味わえるわけでもありませんが、乗車したとき、違和感を覚えることでしょう。いい意味で。

 車両正面をはじめ、至るところに存在する「楕円」。ダウンライトで演出された明るすぎない車内は、寺社のようでもあり、それでいてモダンであり。お香の煙が似合いそうでもありつつ、どこか新しい――そんな独特の非日常感を放っています。

 この「ひえい」(700系電車)は、比叡山や鞍馬山といった霊山を沿線に持つ叡山電鉄らしく、「神秘的な雰囲気」「時空を超えたダイナミズム」をイメージして、製造されました。外観側面にあるストライプは、比叡山の山霧のイメージです。

 実際に「ひえい」へ乗ってみると、そのデザイン、雰囲気に、ついキョロキョロしてしまうことでしょう。霊峰比叡山への旅が、盛り上がってくることでしょう。アテンダントによる充実したサービスなどはなくとも、全席が窓を背にしたロングシートといえど、十分に乗って楽しい観光列車で、観光名所になっています。

 そして「ひえい」も「きらら」と同様、いわゆる普通列車のひとつとして運転されており、別料金が不要。乗車券(運賃)だけで利用でき、予約がいらないのも魅力です。

 この「ひえい」は、Windows「A列車で行こう9 Version5.0 コンプリートパックDX」、Nintendo Switch「A列車で行こう ひろがる観光ライン」に収録。霊場や聖地を想定しながらプレイすると、時空を超えた奥行きがゲーム内に広がるかもしれませんね。

掲載日:2024年11月8日

この記事の筆者

恵知仁

鉄道ライター、乗り物ライター。ウェブメディアを立ち上げ、初代編集長を約6年務めた経験と、乗り物全般の取材で得た知識を元に記事を制作。一児(子鉄)の父。ウェブサイト「おやこてつ」運営。
「おやこてつ」URL:https://oyakotetsu.info/

提供:A列車で行こうポータルサイト「A列車jp」(https://www.atrain.jp/

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