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コラム

A列車jp発「お出かけ、小田急電鉄 ~22世紀・江戸時代・爆発・そしてロマンスカー~」

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都市開発鉄道経営シミュレーション「A列車で行こう」に制作協力いただいている
各鉄道会社をフィーチャーして、歴史や沿線の魅力について触れていく応援企画。
今回ご紹介するのは「小田急電鉄」。
さあ列車に乗ってお出かけしましょう。

大きく2タイプの「ロマンスカー」

 「小田急電鉄」と聞いたら、特急「ロマンスカー」をイメージする人、多いと思います。

 旅行気分を盛り上げてくれる高い非日常性、快適性などが特徴で、東京都心と箱根、江ノ島等の有名観光地を連絡。小田急電鉄に限らず、日本を代表する特急のひとつといえるでしょう。

 この「ロマンスカー」には、大きく2つのタイプがあります。

 まず、前面展望室構造を持つ非日常性が特に高いタイプの「ロマンスカー」。

 2018年(平成30年)に登場した赤い70000形「GSE」がこのタイプで、小田急電鉄のシンボル的な車両になっています。

 「GSE」は「Graceful Super Expres」から来ていて、その名の通り、優雅さや上質さがポイントです。

 そして、汎用性が高いタイプの「ロマンスカー」。

 2008年(平成20年)に登場し、初の「地下鉄に直通する座席指定特急」となった青い60000形「MSE」がこのタイプで、地下鉄直通に加え、10両編成を6両と4両に分けられるなど、高い汎用性と快適性が特徴です。

 「MSE」は「Multi Super Express」から来ており、そうした多彩な能力を意味したものになっています。

 1996年(平成8年)に登場した30000形「EXE」と、2017年(平成29年)から登場したそのリニューアル車「EXEα」も、汎用性が高いタイプです。

 

 10両編成を、6両と4両に分けることが可能。特に目立つ部分はないかもしれませんが、この「EXE」「EXEα」の座席とその乗り心地が良いという人が、少なからずいる模様。ほかの「ロマンスカー」と乗り比べるのも面白いでしょう。

 「EXE」は、「Excellent Express」から来ています。

 また小田急「ロマンスカー」の仲間に2029年3月、新型の80000形が加わる予定です。

 開発コンセプトは「きらめき走れ、ロマンスカー」で、テーマは「水」。70000形「GSE」と同様に前面展望室構造を備えるほか、用途や気分で選択できる複数の座席種別などが特徴といいます。

 Nintendo Switch 2 / Steam「A列車で行こう9」、PlayStation4「A列車で行こうExp.+DX」には、これら「ロマンスカー」のうち70000形「GSE」、60000形「MSE」、2022年(令和4年)に引退した前面展望室構造の50000形「VSE」、1999年(平成11年)に引退した前面展望室構造の3100形「NSE」を収録。

Nintendo Switch 2

 

 あわせて収録されている通勤形電車の4000形と一緒に、大都市とその近郊の行楽地を走らせると、雰囲気が出そうです。

 さて、「小田急電鉄沿線のお出かけスポット」といえば、これら「ロマンスカー」の行き先になっている箱根や江ノ島が思い浮かぶかもしれません。

 しかしその途中駅や通過駅にも、手軽に楽しめる場所が色々あるのをご存じでしょうか。

川崎で感じる「未来」と「爆発」

 まず、東京都から多摩川を渡り、神奈川県に入ってすぐにある登戸駅。ホームに下りると、22世紀の未来からやってきたネコ型ロボット「ドラえもん」や、そのひみつ道具「どこでもドア」などが各所にデザインされています。

 登戸駅のある神奈川県の川崎市多摩区は、『ドラえもん』作者である漫画家の藤子・F・不二雄氏が晩年まで過ごした場所で、「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」が設けられているためです。

 列車がやって来るときホームに流れるメロディも、藤子・F・不二雄作品ゆかりのものになっています。

 「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」へは、登戸駅からバスで9分。私も息子が幼稚園児のときに家族で行きましたが、大人でも子供時代を思い出しながら、楽しい時間を過ごせました。マンガに興味がある方には、特にオススメです。

 この川崎市多摩区では、「川崎市 岡本太郎美術館」も楽しむことができます。「芸術は爆発だ」のフレーズで知られる芸術家の岡本太郎氏は、川崎市が出身地。およそ1800点の作品が同市へ寄贈され、誕生した美術館です。

 芸術について私は正直よく分かりませんが、岡本太郎氏の作品はなぜか心にグッとくるものが多く、この美術館を訪れたとき、思った以上に時間が過ぎていたことがありました。

 「川崎市 岡本太郎美術館」へは、小田急線の登戸駅と、その隣の向ヶ丘遊園駅からバスでアクセスできます。

 ちなみに、「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」「川崎市 岡本太郎美術館」があるのは、「生田緑地」という川崎市の広大な公園のなか。そしてこの「生田緑地」には、かつて小田急グループの遊園地「向ヶ丘遊園」がありました。

 小田急線の向ヶ丘遊園駅は、その遊園地が駅名の由来です。なお遊園地は、2002年(平成14年)に閉園しています。

江戸時代、お出かけ先として大人気

 小田急沿線には、江戸時代、落語や浮世絵になるほど注目されたお出かけスポットがあります。丹沢山地にそびえる、標高1252mの大山(おおやま)です。小田急線の車窓にも、箱根方面に向かって右側、神奈川県の厚木市内から伊勢原市内へ進んでいくなか、眺められます。

 大山は、古くから山岳信仰の対象になっている三角形の優美な山。結構目立つため、車窓からすぐに分かるでしょう。江戸時代には「大山詣り」が盛んに行われ、江戸の人口が100万人のころ、年間20万人もの参拝者があったといいます。

 ちなみに「大山詣り」の落語は、江戸の庶民がそれに出かけて色々起きるという喜劇的な内容です。

 また大山は「雨降山」、転じて「阿夫利山」という別名を持っており、雨乞いや五穀豊穣が祈願されてきました。

 山中には、奈良の東大寺を開いた良弁僧正が755年に開山したという雨降山大山寺、2200年以上前の崇神天皇の時代に創建されたと伝えられている大山阿夫利神社があり、いまなお多くの信仰を集めているといいます。

 「食」も大山の魅力になっていて、丹沢山系の良質な水を活かした豆腐とその料理が名物。江戸時代から続く和菓子店の「大山まんじゅう」も人気だそうです。

 この大山では小田急グループがケーブルカーを運行しており、雨降山大山寺、大山阿夫利神社へ手軽に行くことができます。

 大山ケーブルの乗り場へは、小田急線の伊勢原駅からバスで約30分。小田急電鉄が発売している「丹沢・大山フリーパス」を使うと、お得に便利に、その魅力を楽しむことができます。ちなみに大山周辺は、ハイキングでも人気だそうです。

往年のスターに出会える場所

 小田急線の沿線には、そのシンボルである「ロマンスカー」をテーマにした施設もあります。海老名駅からすぐの「ロマンスカーミュージアム」です。

 館内に3000形「SE」、3100形「NSE」、7000形「LSE」、10000形「HiSE」、20000形「RSE」、50000形「VSE」という歴代の特急「ロマンスカー」車両を展示。

 さらに鉄道模型の大きなジオラマ、「ロマンスカー」風の巨大遊具も備えた「キッズロマンスカーパーク」などがある、家族連れにも人気のスポットです。線路のすぐ隣にあるため、行き交う小田急線の列車を屋上から楽しむこともできます。

 また、小田原駅に近い開成駅の前には、「ロンちゃん」がいます。

 3100形「NSE」を神奈川県開成町が譲り受け、展示しているもので、この車両の愛称が「ロンちゃん」。定期的に車内が公開されており、2階にある運転席も見学可能です。

箱根への道中にある複雑なレア線路

 「小田急電鉄の路線」というと、新宿~箱根湯本間などを結んでいるイメージがあると思いますが、細かくは違います。

 新宿~小田原間の82.5kmを結ぶ「小田原線」と、相模大野~片瀬江ノ島間の27.4kmを結ぶ「江ノ島線」、そして新百合ヶ丘~唐木田間の10.6kmを結ぶ「多摩線」の3路線が「小田急電鉄の路線」です。

 小田原~箱根湯本間の6.1kmは、「小田急箱根」という会社の路線になります。箱根湯本~強羅間の8.9kmで登山電車を運行しているのも、「小田急箱根」です。

 なので箱根湯本駅行きの特急「ロマンスカー」は、小田原駅から小田急箱根線(箱根登山線)に乗り入れている形になります。

 ややこしいですが、実質的には「新宿~小田原~箱根湯本」が小田急線、「箱根湯本~強羅」が箱根登山電車、という認識で大きな問題はないでしょう。

 さてこの「ややこしさ」、線路そのものにも出ている場所があります。

 箱根湯本駅と、新宿駅側に1駅行った入生田駅付近のあいだで、通常は2本1組のレールが、3本1組のように敷かれているのです。

 小田急線の電車と箱根登山電車は、線路の幅が1067mm、1435mmと異なります。

 この幅が異なる両方の電車が通れるよう、箱根湯本~入生田間はレールを3本使って、1067mmと1435mmの線路を敷いているのです。

 理由は、箱根登山電車の車庫が入生田駅付近にあるため。「新宿~1067mm~小田原~1067mm~入生田~1067&1435mm~箱根湯本~1435mm~強羅」という形になっています。

 こうしたレールを3本使った線路を「三線軌条」といい、日本ではほかに新幹線と在来線が線路を共用する青函トンネル区間、秋田新幹線の一部区間、また京急逗子線の一部区間にしかないものです。箱根に行く際は、レールにも少し注目してみてください。

 Nintendo Switch / Steam「A列車で行こう ひろがる観光ライン」には、箱根登山電車の3000形・3100形「アレグラ号」を収録。小田急「ロマンスカー(GSE)」も収録されているので、あわせて走らせ、三線軌条を再現するのも楽しそうですね。

Nintendo Switch 2

 

掲載日:2026年6月26日

この記事の筆者

恵知仁

鉄道ライター、乗り物ライター。ウェブメディアを立ち上げ、初代編集長を約6年務めた経験と、乗り物全般の取材で得た知識を元に記事を制作。一児(子鉄)の父。ウェブサイト「東京電車」運営。
「東京電車」URL:https://train-writer.jp/

提供:A列車で行こうポータルサイト「A列車jp」(https://www.atrain.jp/

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