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A列車で行こう9 Evolution
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コラム

A列車jp発「お出かけ、京阪電鉄 ~2階建て、路面電車にケーブルカー~」

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都市開発鉄道経営シミュレーション「A列車で行こう」に制作協力いただいている
各鉄道会社をフィーチャーして、歴史や沿線の魅力について触れていく応援企画。
今回ご紹介するのは「京阪電鉄」。
さあ列車に乗ってお出かけしましょう。

「京阪」以外もある京阪電鉄

 京阪電鉄は「京阪電気鉄道株式会社」が正式な社名で、「大手私鉄16社」のひとつ。「京阪電車」という呼び方も一般的です。

 大阪府、京都府、滋賀県内に次の8路線、91.1kmの路線網を持ちます。

・京阪本線:淀屋橋~三条
・鴨東(おうとう)線:三条~出町柳
・中之島線:中之島~天満橋
・交野(かたの)線:枚方市~私市
・宇治線:中書島~宇治
・石山坂本(いしやまさかもと)線:石山寺~坂本比叡山口
・京津(けいしん)線:御陵~びわ湖浜大津
・鋼索線:ケーブル八幡宮口~ケーブル八幡宮山上

 大阪市中心部の淀屋橋駅と京都市中心部の三条駅を結ぶ京阪本線が、京阪電鉄の背骨的な路線です。

 この京阪本線と鴨東線、中之島線、交野線、宇治線の計5路線は、「京阪線」というグループとして扱われます。京阪本線と直通、接続する路線のグループです。

 大阪・京都エリアを走るそれら「京阪線」に対し、石山坂本線と京津線は京都・滋賀エリアを走行。「大津線」というグループになります。

 「京阪線」と「大津線」は線路が繋がっておらず、後述しますが、性格もだいぶ違います。

 鋼索線はケーブルカーです。こちらも後述します。

より優雅で非日常なダブルデッカー

 電車内にテレビが設置されていて、通勤通学で乗車しながら、ニュースや野球中継を楽しめる――。

 若い方には想像もつかないかもしれませんが、そんな「テレビカー」が2013年(平成25年)まで京阪電鉄の列車に連結され、「走る街頭テレビ」とも呼ばれました。利用にあたって、別料金も不要でした。

 そうした“面白いふつうの電車”が、いまも京阪電鉄には走っています。「ダブルデッカー車両」――いわゆる2階建て車両です。

 首都圏のJR普通列車に連結されているグリーン車のような車両で、その意味では珍しくありませんが、京阪電鉄のダブルデッカー車両は別料金不要で利用可能。通勤通学ではちょっと優雅に、旅行ではより非日常な気分で乗車することができます。

 ダブルデッカー車両は、京阪本線・鴨東線(淀屋橋~出町柳)の特急列車に使用される8000系電車に連結。なお京阪電鉄では、特急料金はかかりません。

 ちなみに、8000系電車にはかつて、テレビカーも連結されていました。

次元が違うプレミアムカー

 JRの普通列車グリーン車みたいな京阪電鉄のダブルデッカー車両ですが、別料金不要の一般車両なので、やはり要別料金のJR普通列車グリーン車のほうが、快適性は上かもしれません。

 ただ快適性を語るなら、京阪電鉄にもとっておきの車両があります。「プレミアムカー」です。

 通路を挟んで2人掛けと1人掛けのゆとりある座席配置、全席へのコンセント設置、無料Wi-Fi、ラゲッジスペースの用意など、通勤通学の乗車でも旅行での乗車でも、一般車両とは次元の違う心地よさを誇ります。

 プレミアムカーを利用するには、乗車券にくわえプレミアムカー券が必要ですが、その料金が400円から500円と比較的リーズナブルなのもポイントでしょう。

 このプレミアムカーは、京阪本線・鴨東線(淀屋橋~出町柳)の特急列車などに使用される8000系電車、3000系電車に連結。

 大阪と京都の移動手段はいろいろありますが、「京阪電鉄のダブルデッカー車両・プレミアムカー」も魅力的な選択肢だと思います。プレミアムカーは全席指定で、必ず座れますしね。

 「A列車で行こう9 Evolution」「A列車で行こうExp.+」には、ここで紹介した8000系電車と3000系電車(プレミアムカー非連結の編成)を収録。大阪、京都のような日常から非日常まで賑わいそうな場所で走らせると、それっぽいかもしれません。

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千葉?のお札がある京阪の車内

 

 京阪電鉄の電車、バスは、車内に「成田山のお札」が祀られています。

 「成田山」は千葉県成田市の成田山新勝寺に由来するものですが、なぜ関西の電車でそのお札が祀られているのか、不思議ですよね。

 この“謎”には、京阪電鉄自体が深く関わっています。

 成田山新勝寺への信仰は関西でも古くから存在するそうで、明治時代には信徒が増加。大阪地区へ成田山の別院建立を願う声が高まったといいます。

 そうしたなか1934年(昭和9年)、京阪電鉄が寄進したその沿線の土地に、成田山大阪別院が建立されました。

 以降、京阪電鉄の関係者は成田山大阪別院を定期的に参拝し、そこで授与されたお札を各車両に祀っているそうです。

 京阪電鉄の電車、バスに祀られている「成田山のお札」は千葉県成田市のではなく、大阪府寝屋川市にある大阪別院のもの、というわけですね。

 なぜ京阪電鉄が土地を寄進したのかについては、京阪電鉄の走る地域が大阪の中心部から見て北東の鬼門にあたること、京都の中心部から見て南西の裏鬼門にあたることから、その不安なイメージを払拭するため、沿線の安全や発展を願うため、といわれています。

 成田山大阪別院へは、京阪本線の香里園(こうりえん)駅から徒歩、または京阪バスで行くことができます。

京阪駅名物「フランクフルト」

 京阪電鉄には、駅の名物になっているものもあります。

 まずJR大阪環状線などと接続する、京阪本線の京橋駅。ホーム上の売店で焼いたフランクフルトが「名物」として販売されています。

 京橋駅のフランクフルトは1975年(昭和50年)頃に登場したロングセラーで、2024年発表の資料によると、1日平均700本を売り上げる人気だとか。

 ちなみに、フランクフルトはそのまま食べて美味しいよう味付けされており、ケチャップやマスタードはつきません。電車に乗る前、ホームでちょっと小腹を満たすのに工夫された感じですね。

 また京橋駅ホーム以外でも、京阪電鉄の駅にある店舗「もより市」で販売されている場合があるので、京阪電鉄を利用する際はチェックしてみてください。

京阪駅名物「ホームを突き抜ける木」

 

 京阪電鉄の駅にある名物としては、京阪本線の萱島駅にあるクスノキはインパクトがあります。クスノキがホームを、その屋根をも突き抜け、天高く生い茂っているのです。

 なぜそんな状況になったのか、1972年(昭和47年)にさかのぼります。

 このとき、京阪本線の高架複々線化工事にともなって、萱島駅は場所が少し変わることになりました。

 しかしその移転先には、萱島神社のご神木で、推定樹齢700年のクスノキが存在。保存運動が起こって、ホームとその屋根をご神木のクスノキが突き抜ける形になったそうです。

 ちなみに、萱島神社自体も駅高架下へ収まるように鎮座。ちょっと珍しい風景を作り出しています。

「仁和寺にある法師」は乗れなかった京阪

 中学生の頃に触れる古典『徒然草』の第52段「仁和寺にある法師」。法師(お坊さん)が石清水八幡宮へ出かけたものの、山の上にある本殿に気づけず参拝に失敗、「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり(先導役、案内がほしいものだ)」となったお話しです。

 この、法師がしくじってしまった石清水八幡宮は京阪電鉄の沿線にあり、現代では、京阪電鉄によってしくじることなく、山の上にある本殿に行くことができます。

 京阪本線の石清水八幡宮駅から京阪電鉄の鋼索線(ケーブルカー)に乗れば、山上にある石清水八幡宮の本殿へまっしぐら。京阪電鉄が“先達”になって、連れて行ってくれるのです。

 石清水八幡宮は「日本三大八幡宮」のひとつともされ、その本殿などは国宝に指定されています。

 京阪電鉄沿線の歴史的名所は、「大阪」「京都」という土地柄から多数存在。10円玉に描かれている平等院鳳凰堂、豊臣秀吉が築いた伏見桃山城、豊臣秀吉の側室である茶々が「淀殿」と呼ばれるきっかけになった淀城なども、その沿線です。

「京阪線」とぜんぜん違う「大津線」

 京阪本線など「京阪線」のグループは、「大阪・京都の大都市近郊路線」という性格が強いです。

 しかし「大津線」のうち石山坂本線は、だいぶローカルな雰囲気。2両編成の電車が、大津市内をのんびり行き交っています。

 また「大津線」のうち京津線は、かなり特殊な路線として知られています。地下鉄だと思ったら山越えして、最終的には路面電車になるからです。

 京津線は京都市営地下鉄東西線と直通運転しており、その太秦天神川駅から京津線直通の列車に乗ったとしましょう。

 列車は地下鉄として二条城前駅、京阪本線と乗り換えられる三条京阪駅などを通り、御陵(みささぎ)駅から京津線に入ってほどなく、地上に出ます。

 ここからは、京都府・滋賀県境の山越えです。車窓両側に緑が迫るなか、京津線の列車は急カーブに車体をくねらせながら、最大61パーミル(1000m進むと61mの高低差がある勾配)という普通鉄道としてはかなりの急坂をクリア。

 そうして山を越えたと思うと、列車は道路上に進出。路面電車となり、琵琶湖のほとりにある終点のびわ湖浜大津駅に到着です。

 京津線の列車は4両編成。地下鉄だと思って乗った4両編成の列車が道路上を走っている光景は、なかなかに違和感を覚えます。

 京津線に乗るときは、あわせて路面電車になる区間(上栄町~びわ湖浜大津)で外から列車を眺めるのもオススメです。「京阪線」とはまたぜんぜん違う楽しさが、「大津線」にはあります。

掲載日:2026年8月28日

この記事の筆者

恵知仁

鉄道ライター、乗り物ライター。ウェブメディアを立ち上げ、初代編集長を約6年務めた経験と、乗り物全般の取材で得た知識を元に記事を制作。一児(子鉄)の父。ウェブサイト「東京電車」運営。
「東京電車」URL:https://train-writer.jp/

提供:A列車で行こうポータルサイト「A列車jp」(https://www.atrain.jp/

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