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コンテスト

A列車jp発「こだわりマップの作り方:長野 後編」

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「はじまるA列車」で実在する街を再現する企画第三弾。
今回は善光寺を中心とした風情ある街並みが人気の、長野駅周辺がモデルです。
後編は、印象的な地形に着目しながら、細かな再現の工夫を解説します。

 前編はこちら

 いよいよ長野マップ細部の作り込みです。といっても個別の作業を解説するのではなく、こだわりのスポットごとに解説を加えるスタイルで進めていきます。まずは実際の地図と完成したマップを比べてみましょう。

地形が演出するスポット

 
(地理院地図を加工して作成)

 前編で解説したように、ほぼ正確に再現した地形を基準に線路、駅、道路を配置したため、アウトラインは満足のいく出来上がりとなりました。問題はそれぞれのスポットの再現度です。ひとつひとつ順にみていきましょう。

1.新幹線と千曲川の交差地点

(Google Earth)

 まずは新幹線が千曲川を渡り、中野市高丘の高台に消えていく場面です。ここは東から篠井川、西から鳥居川、浅川が合流する地点で、さらに、しなの鉄道北しなの線・JR飯山線と国道18号線・国道117号線が立体交差しています。そこで線路を1段階、高台を地面から2段階上げることで、高架線で道路、河川を跨いでからそのまま地下トンネルになる構造としました。

 またこの付近には上信越自動車道が通っています。高速道路は高架道路として再現したいので、道路は地上から4段階引き上げています。惰行する千曲川、これに沿って飯山線が走る風景も再現ポイントです。

2.北しなの線牟礼駅周辺

(Google Earth)

 千曲川から北西に進み、リンゴの産地で知られる上水内郡飯綱町までやってきました。同町唯一の鉄道駅である、しなの鉄道北しなの線牟礼駅を中心に市街地が広がっています。

 再現ポイントとしては、駅南西の飯綱町立飯綱病院、駅南の工場(ニチアスセラテック社)、そこから南東の福井団地、南西のゴルフ場(長野国際カントリークラブ)です。それぞれの施設を前提に地形をデザインしましたが、実際に作り始めるとうまく収まらない点が見つかります。

 線路、鳥居川、八蛇川で分断された市街地の構造は難易度が高く、何度も修正を重ねましたが、川を挟んで商業地域、役場、住宅地をうまく配置できました。また牟礼駅は飯綱町全域、長野駅方面のバスが発着するターミナルでもあり、鳥居川対岸には長電バス飯綱営業所があります。これらも再現し、複数のバス路線を設定しています。

3.北しなの線三才駅周辺

(Google Earth)

 飯綱町から南下し、北しなの線三才駅付近に移動しましょう。ここは三登山地を背景とした浅川の扇状地で、台地には国立東長野病院、清泉大学・短大があり、ここを起点とするバス路線が多数あります。また大規模な団地が広がる長野市北部の住宅地でもあります。

 本作はスケールの都合上、戸建て中心の住宅地を再現しづらいのですが、区画ごとに特徴を抑えた配置とすることで、雰囲気を再現しました。実際の画像と見比べていただければと思います。

施設の配置を工夫したスポット

 

4.小布施パーキングエリア

(Google Earth)

 どんどん行きましょう。千曲川を渡り、長野電鉄が走る上高井郡小布施町にやってきました。紹介したいのは鉄道……ではなく、道路です。ここには先ほども登場した上信越道の小布施スマートインターチェンジと小布施パーキングエリアがあり、出口の目前には道の駅を中心とした小布施総合公園があります。

 本作は道路の立体交差が用意されていますが、かなり大規模な構造にしなければ活用できません。前回の上田マップでは、街の玄関口となるインターチェンジを、立体交差を用いて作成しましたが、小規模なものはあえて交差点として作成しています。

 「インターチェンジっぽさ」とは曲線です。そこで「片側二車線」から「一般道」を分岐させ、勾配カーブと組み合わせて地上と結んでいます。前述のように上信越道(高架片側二車線道路)は地上から4段階高いので、3つの下り勾配を使用しています。

5.長野電鉄須坂駅周辺

(Google Earth)

 小布施から南下して須坂市の須坂駅前です。駅のすぐ脇にあるイオン須坂駅前店は、やや規模が大きいですが「ショッピングセンター別館」で表現しました。問題は駅の正面にあるビル「シルキー」です。マンションと商業施設、信州須坂観光協会のシルキーホールが入居する小規模な複合施設です。

 このような施設を単独の物件で再現するのは困難なので、「オフィスビル5」をマンション部分に見立て、その前方に「観光案内所2」、両脇に「高架下店舗」を配置しました。マンション部分は「マンション5」にしてもよいのですが、オフィスビルに比べて細く、観光案内所と隙間が空いてしまうため、一体感を優先しました。再現度アップには、このような工夫も必要なのです。

 もうひとつ注目していただきたいのが須坂駅の構造です。配線は正確ではありませんが、駅に隣接した長野電鉄唯一の車庫を再現しました。入出庫の際は信号場をスイッチバックする必要がありますが、これはダイヤで解決できます(ダイヤ作成は上田記事で詳細に取り上げたので、今回は割愛します)。

6.公社住宅・県営・市営住宅柳町団地

(Google Earth)

 同じく複数の建物で再現したのが長野市中心部にある公社住宅・県営・市営住宅柳町団地です。高層から低層まで10棟以上のマンションが複雑に並んでいます。もちろんこのような建物はないので、「マンション7」を中心に「マンション」と「集合住宅」を組み合わせて大規模団地を表現しました。

長野市中心部の姿

 

7.エムウェーブ周辺

(Google Earth)

 続いては長野市道東口通りをまっすぐ進み、千曲川の手前にある長野市オリンピック記念アリーナ「エムウェーブ」周辺です。長野オリンピックのスピードスケート会場として建設されたこの施設は、文化・産業イベント会場としても使われています。

象徴的な施設だけに、しっかり再現したいところですが、「体育館」では印象が異なります。そこでイベント会場としての側面に注目して「展示場」で代用することにしました。形状もどことなく似ているので、良い選択でした。また道路を隔てた位置にある職員宿舎も一体的に再現しています。

8.善光寺表参道

(Google Earth)

 さて、いよいよ中心部です。高崎から碓氷峠を越えて上越に至る国道18号、その前身が江戸時代に整備された脇街道「北国街道」です。国道18号は駅から約2キロ東を通過しているのに対し、旧北国街道は駅の脇を抜けて善光寺へとまっすぐ進みます。

 国道406号を越えた先で旧北国街道は右折し、その先は個人商店・飲食店が立ち並ぶ「善光寺街道」となります。さらに進み、仁王門、山門をくぐると善光寺です。この一直線の表参道こそが門前町・長野を代表する光景でしょう。

 筆者は通常、住宅は必ず道路に面して配置しますが、密集した古い市街地を再現するためあえて住宅で埋め尽くしました。また「個人商店」の15~17、31、32や、「高級料亭」「茶屋」「温泉宿1」など、または保存施設の「蔵屋敷」「土蔵」「酒造」など和風の建物を多く配置し、雰囲気を出しています。

 忘れられないのは仁王門での光景です。高台の仁王門から市街地を見下ろした時、長野マップを作ってみたいと強く思ったことは今でも覚えています。

9.仁王門からの景色

(Google Earth)

 前編で解説した通り、善光寺周辺は地面を最大2レベル上げたため、実際と同様に高台から見下ろす形になりました。ビルの形状や高さは異なりますが、街道の先に見える市街中心部の雰囲気は再現できたのではないでしょうか。

こだわり車両全部入り

 さて、ここからは車両について述べていきます。本マップではJR東日本、JR東海、しなの鉄道、長野電鉄の4社が登場し、飯山線は気動車の運行と、多様な車両が登場します。ここも時間と手間をかけてしっかり再現していきましょう。

 まずはマップの主役、長野電鉄の車両です。同社は長野オリンピック以降、地下鉄日比谷線の中古車両「3500系」を中心に運行していましたが、2005年に「8500系(元東急電鉄8500系)」、2020年に「3000系(日比谷線03系車両)」を導入したことで、3500系は2023年に引退しました。

 引退した車両はほとんどが解体済ですが、車庫の賑やかしとして作っておきたい車両です。最大の特徴であるステンレス外板のコルゲート(波形)は、細長いステッカーを等間隔に配置することで表現しています。

 8500系の外板もコルゲートが付いています。波形は3500系より細かく、ドアには付いていないためやや面倒ですが、装飾はシンプルなのでそれほど時間はかかりませんでした。

 そして最新車両の3000系は、営団地下鉄のゼロシリーズ(01~08系)がモデルの「地下鉄形通勤列車」をベースに作りました。前面は赤、側面はグレーの特徴的な帯と、車両側面に回り込むパノラミックウィンドウで再現度が上がりました。

 長野電鉄を彩るのが地方私鉄では珍しい有料特急の運行です。長らく主役を務めた「2000系」は2012年に引退し、1編成のみが小布施駅構内の「ながでん電車のひろば」で保存されていますので、ひろばとあわせて再現しておきましょう。

 現行の特急車両が元ロマンスカー(小田急電鉄10000形「HiSE」)の「1000系」と、元成田エクスプレス(JR東日本253系)の「2100系」です。ロマンスカーは「屋上運転台式特急列車」で再現可能ですが、1000系は窓が高いハイデッカー構造なので、そのままでは違和感が出てしまいます。

 そこで同じロマンスカーの7000形「LSE」をベースに、10000形の塗装をアレンジした半オリジナル車両として再現しました。2100系はそれ以上に独特な形状のため再現は断念し、1000系のみの運行としました。

 その他の車両です。しなの鉄道の「SR1系」は上田マップで作成したものを流用しました。SR1系の導入で退役が進む「115系」は、長野総合車両センターの解体線用に作成しました。JR東日本からは信越本線で使われる「E127系」、「211系」、飯山線の気動車「キハ100系」を再現しました。いずれも車体形状、装備がマッチしており、違和感のない仕上がりとなりました。

 長野駅を代表する車両が、特急「しなの」で使われるJR東海の「383系」です。JR車両では珍しい展望席を備える車両であり、「展望型特急列車」を使用して作成しましたが、雰囲気を再現できません。そこで丸みのある先頭形状の「流線型特急列車」に着目し、ステッカーで窓を拡大して再現しました。丸目の前照灯、尾灯が用意されており、結果的にピッタリでした。

 最後にバスを紹介します。長野市のバスは大きく、長野電鉄の子会社「長電バス」と、元松本電気鉄道の「アルピコ交通」に分けられます。長電バスはクリームと赤色帯のシンプルかつ古風なデザインですが、アルピコ交通はホワイトをベースに、5色のストライプ入りラインが彩っています。ストライプはラインの上に白い線を乗せて再現しました。

 この他、長野市の「中心市街地循環バス ぐるりん号」、須坂市の「すざか市民バス」、小布施町の「周遊シャトルバス おぶせロマン号」、飯綱町が運行する「iバス」を作成しました。これらのバスはイラストのラッピング塗装を採用することが多いので、カラーを中心とした再現にとどめています。

 以上、街と車両の見どころをざっと紹介させていただきました。こだわりは語り出すと際限ないのですが、細部は公開したマップをご覧ください。シナリオコードは「88KJ9N4」です(Switch版)。

 はたして再現マップ第4弾はあるのでしょうか!? 皆さまの声をお待ちしております。

Nintendo Switch 2

 

掲載日:2026年4月10日

この記事の筆者

枝久保達也

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。現在は鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行なうかたわら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』で第47回交通図書賞歴史部門受賞。

提供:A列車で行こうポータルサイト「A列車jp」(https://www.atrain.jp/

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