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A列車で行こう ポータルサイト > 特別企画 > A列車jp発「お出かけ、富士山麓電気鉄道・岳南電車 ~富士山を列車で楽しむ旅~」

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コラム

A列車jp発「お出かけ、富士山麓電気鉄道・岳南電車 ~富士山を列車で楽しむ旅~」

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都市開発鉄道経営シミュレーション「A列車で行こう」に制作協力いただいている
各鉄道会社をフィーチャーして、歴史や沿線の魅力について触れていく応援企画。
今回ご紹介するのは「富士山麓電気鉄道」と「岳南電車」。
さあ列車に乗ってお出かけしましょう。

富士山は「眺めて楽しめる山」

 山は登るだけでなく、眺めても楽しめるものです。

 その最たる存在のひとつが、富士山でしょう。遠くから頭ひとつ抜けて見える姿もいいですが、近くで感じるその存在感は、圧倒的なものがあります。

 そんな富士山を鉄道の旅で眺め、楽しむことも可能です。「新年の旅」として満喫しても縁起がよさそうですし、夏場なら「避暑の旅」にもなるでしょう。

 今回は、そんな「富士山を楽しめる鉄道」をふたつ、ご紹介します。

北の「富士山麓電気鉄道」とは

 まず、富士山の北側を走る富士山麓電気鉄道です。「富士急行線」と表現したほうがピンと来る人、多いかもしれません。

 経緯を説明すると少しややこしくなりますが、富士山周辺をおもな事業エリアとする、「富士急行株式会社」を中心とした「富士急グループ」があります。遊園地「富士急ハイランド」も、そのグループによる運営です。

 「富士急行株式会社」は鉄道事業も行っていましたが、2022年(令和4年)、この鉄道事業を分社化。そこで誕生したのが「富士山麓電気鉄道株式会社」です。

 このとき、鉄道を運営する会社の名称は「富士急行」から「富士山麓電気鉄道」に変わったものの、路線名には引き続き「富士急行線」を使用することに。

 こうして「富士急グループの富士山麓電気鉄道が運営する富士急行線」が誕生し、日常輸送のほか、富士山、富士五湖、富士急ハイランド方面の行楽輸送に活躍しています。

 ちなみに、富士急グループのはじまりとなる企業は、1926年(大正15年)に創立された富士山麓電気鉄道。令和の時代になって、それが復活した形です。

 さて、鉄道そのものに話を戻します。

 富士急行線は、JR東日本の中央本線と接続する大月駅(山梨県大月市)と河口湖駅(山梨県富士河口湖町)のあいだを結ぶ、26.6kmの路線です。

 JR中央本線とは直通運転を行っており、新宿駅方面とのあいだで特急「富士回遊」、通勤快速などが走っています。

バリエーション豊かな富士急行線の列車

 富士急行線は、いろいろな形で乗って楽しめる観光向けの列車が複数あることもポイントです。

 おもなものを紹介すると、まず8500系「富士山ビュー特急」が挙げられます。

 「スイーツプラン」が用意されており、富士急ハイランドオフィシャルホテル「ハイランドリゾートホテル&スパ」パティシエが手掛ける「富士山ビュー特急特製スイーツ」を、車内で味わうことが可能です。

 車両のデザインは、JR九州の観光列車などで知られる水戸岡鋭治氏(ドーンデザイン研究所)が担当。木の温もりを感じながら富士山への旅を楽しめるでしょう。スイーツなしの乗車のみもできます。

 うってかわって8000系「フジサン特急」は、とにかく賑やかで楽しいのが魅力。富士山をモチーフにした個性的なキャラクターたちが車外、車内にたくさん描かれています。

 なかにはおバカなキャラクターがいて、面白くて笑えるので、特に子供と一緒のファミリー旅行だと盛りあがるでしょう。

 大月駅から富士山のほうへ向かうときの先頭車は、運転席の後ろがフリースペースのソファー席になっており、迫り来る富士山を感じながらその旅を楽しむことができます。

 ちなみに「富士山ビュー特急」は元JR東海371系電車、「フジサン特急」は元小田急20000形電車で、両者とも富士山の南東側を走り新宿~御殿場・沼津間を結ぶ特急「あさぎり(現ふじさん)」で使われていました。

 それぞれ引退後、富士山の南東側から北側の富士急行線へ、仲良く、第二の人生を楽しみにやってきた感じです。

 このうち「富士山ビュー特急」は、Nintendo Switch / Steam「A列車で行こう ひろがる観光ライン」に収録されています。立派な山がある風景に走らせてみたいですね。

Nintendo Switch 2

 

「富士山に一番近い鉄道」の実力

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 富士急行線は「富士山に一番近い鉄道」としてPRされており、そのとおり、車窓と沿線の両方で富士山を間近に楽しめる路線です。

 大月駅から列車に乗って河口湖駅方面に向かうと、チラチラ見え始めた富士山が次第に大きくなり、谷間を抜けて富士山の裾野に出たら、もはや富士山は列車の窓枠に収まりきらないほどのサイズ。その存在感に圧倒されることでしょう。

 途中下車して富士山を楽しめる駅も、多数あります。

 葭池温泉前駅(山梨県富士吉田市)から歩いて約10分の富士見孝徳公園は、「関東の富士見百景」に数えられる場所。

 その隣の下吉田駅(同)から歩いて約15分の新倉山浅間公園では、富士山と五重塔が描く「絵に描いたような日本」の風景を、リアルに見ることができます。

 下吉田駅は、ブルートレイン車両などを保存した「下吉田駅ブルートレインテラス」、列車を眺めながらドリンクなどを味わえる「下吉田倶楽部」があるのもポイントです。

 話を戻して、富士山駅(同)の駅ビルは6階が展望デッキになっており、富士山の雄大な裾野をその目で実感することになります。

 富士山駅から歩いて約5分の場所では、街並みにそびえる金鳥居と富士山のコラボを楽しむことが可能。この金鳥居は、富士山の吉田口登山道で最初の門であり、「一の鳥居」とも呼ばれているそうです。

 ちなみに富士山駅は、2011年(平成23年)まで富士吉田駅という名前でした。

 終点の河口湖駅は、ホームから富士山が丸見え。河口湖も駅から散策できる範囲にあるので、水面と富士山の共演も楽しめるでしょう。

 このように、沿線の各所から富士山を楽しめる富士急行線。冬場は空気が澄んでいて、雪をかぶった典型的な富士山の姿を、くっきりハッキリ楽しむことができます。

 夏場も、富士急行線沿線はオススメです。標高が、富士山駅は809m、河口湖駅は857mと高く、避暑がてら鉄道の旅を楽しめます。

 富士急ハイランド駅で降りれば目の前がそれですし、富士山駅や河口湖駅からは甲府、忍野八海、山中湖、御殿場などへのバスも出ているので、いろいろな形で旅を作れる路線だと思います。

南の「岳南電車」とは

 

 「富士山を楽しめる鉄道」ふたつ目は、岳南電車です。文字通り、富士山の南側を走る鉄道で、JR東海道本線と接続する吉原駅(静岡県富士市)と、岳南江尾駅(同)のあいだ9.2kmを結んでいます。

 この岳南電車も、富士急グループの鉄道会社です。

 富士急グループで鉄道事業を行っている企業は、富士山麓電気鉄道株式会社と、岳南鉄道株式会社。富士山を挟むように、北と南で鉄道事業を行っている形ですね。

 岳南電車の沿線には、富士山の豊富な地下水を活用した製紙の工場などが多く存在し、かつてはその貨物輸送で賑わいました。

 貨物輸送は2012年(平成24年)に終了し、現在はおもに地域の足として利用されていますが、富士山や、そうした沿線の工場を活用した取り組みも行っています。

全駅が「富士山ビュー」

 岳南電車の売りのひとつ「富士山」。どう売りにしているかというと、「すべての駅から富士山が見える」です。

 駅には、富士山が見える位置の表示も設置。乗り放題のきっぷを買って全駅のビュースポットをコンプリートするのも面白いでしょう。

 また、岳南電車のギャラリーがある吉原本町駅、ホームなどが国の登録有形文化財に登録されている本吉原駅、駅構内にそば・うどん店がある岳南原田駅、模型店がある比奈駅など、途中下車して楽しめる駅が多いです。

 岳南富士岡駅には、かつてこの路線の貨物輸送で活躍していた電気機関車、貨車などを展示した「がくてつ機関車ひろば」もあります。

「日本夜景遺産」の岳南電車

 岳南電車で楽しめる風景の売りは、「富士山」だけではありません。「夜景」も大きな個性になっています。

 先述の通り岳南電車の沿線には工場が多く、その隙間を通り抜け、何かのパイプの下をくぐって電車が走る区間も存在。

 夜になると、そうした工場やパイプがその照明で暗闇に浮かびあがり、電車の車窓から「工場夜景」を楽しめるのです。

 こうした岳南電車の夜景は、「日本夜景遺産」に認定されています。

 そして岳南電車は、この夜景をもっと楽しもうという「夜景電車」を運行しています。夜、車内の照明を消して走るのです。

 7月の夜、家族でこの「夜景電車」に乗車したことがあります。

 窓を開けてもOKだったことから、より美しく工場夜景を楽しめました。また、エアコンが効いた車内で窓を開け、夏の夜風を楽しみつつ過ごした時間自体が、とても非日常的でした。

 しばしば「富士山」は山梨県側から楽しむのがいいのか、静岡県側から楽しむのがいいのか、議論になることもあると思いますが、結論は「両方楽しむ」だと思います。

掲載日:2025年12月26日

この記事の筆者

恵知仁

鉄道ライター、乗り物ライター。ウェブメディアを立ち上げ、初代編集長を約6年務めた経験と、乗り物全般の取材で得た知識を元に記事を制作。一児(子鉄)の父。ウェブサイト「東京電車」運営。
「東京電車」URL:https://train-writer.jp/

提供:A列車で行こうポータルサイト「A列車jp」(https://www.atrain.jp/

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